2014/07/06

ブラジルワールドカップ あれこれ 決勝トーナメント・ベスト8雑感


オランダ代表でのPK専用ゴールキーパーのティム・クルル(ニューカッスル所属)
延長後半終了間際に登場。
シュートを2本止めて、激戦の最後で全てを持っていってしまいました。


ベスト8の試合も全て終わり、いよいよベスト4が出揃いました。戦前からそんな気がしていましたが、結局勝ちそうなチームが全て勝ってしまいましたね。

今大会、躍進するチームにだいたい共通しているのはどこもセンターバックとキーパーが良いというところです。まさに今の日本の一番弱いポジションですね。

そして、チームとして守備が堅いチームでないと勝ち残れていません。これも今回の日本の弱点でした。

スペインが天下をとってからここ数年の攻撃重視のトレンドが、また守備の方へと傾いてきているのかもしれません。

ひょっとしたら、このトレンドに対応できていなかったことこそ、日本の今回の苦戦の原因であり、個々の選手のパフォーマンスや監督の采配などは、全体から見たら、瑣末なことだったのかもしれません。

それはさておき、終わったばかりのベスト8の各試合雑感を。


ベスト4に残ったのはブラジル、ドイツ、オランダ、アルゼンチンと、これぞワールドカップといった感じのお馴染みのメンツになりました。
なにげにアルゼンチンがここまで上がってくるのは久しぶりですね。


フランス 対 ドイツ


ドイツが早い時間にセットプレーから先制しちゃったもんだから、その後はお互いの長所の潰し合いみたいなつまらない消耗戦に。

今大会、いいゴールキーパーが多いのですが、ゴールキーパー大国のドイツだけあって、ノイアーもバケモノでした。

ブラジル 対 コロンビア


こちらも期待したような面白いゲームにはならず、ブラジルが楽に勝ってしまった印象です。ブラジルの守備の堅さはコロンビアにすら、ほとんどつけいる隙を与えませんでした。

見どころはダビド・ルイスの今大会めずらしい無回転フリーキックからのゴールぐらいでしたかね。

それより重要なのが、この試合で攻撃の要のネイマールが負傷(今大会絶望)、そしてキャプテンで守備も要のチアゴ・シウバも累積警告のため、次の試合に出られません。どちらも、層の厚いブラジルですら換えがきかないレベルの選手です。

次の相手はドイツ。さすがのブラジルもピンチです。

アルゼンチン 対 ベルギー


まあ、アルゼンチンが勝つだろうなあと思っていたら、普通にアルゼンチンが勝ってしまったゲームでした。ベルギーはあれだけ優秀なタレントを揃えてるのに、パワープレーぐらいしかまともな攻撃の形にならないんですから、やっぱりダメでしたね。


ゴールが決まらず、ガッカリを全身で表現する
アルゼンチン代表のサベージャ監督


アルゼンチンは終始試合をコントロールしていた印象でした。イグアインの調子が出てきたのはプラス材料ですし、大会前、不安視されていた守備もしっかりしていました。

ただ、この試合でメッシシステムで重要な役割を果たしていたディマリアが負傷して次の試合に出られなくなってしまってので、アルゼンチンは次の試合、かなり厳しそうです。

メッシ頼みのクソサッカーが通用するほど、オランダは甘くないと思うのですが。

オランダ 対 コスタリカ


コスタリカの奮闘のおかげで、ベスト8で一番おもしろかったゲームでした。

特にコスタリカのキーパーのナバスと、守備陣のラインコントロールがすさまじかったです。強力なオランダの攻撃陣を、オフサイドで無効にしまくってました。本当に日本が大会直前に戦って勝ったチームとは別物の、統率されたいいチームでした。

オランダはツキのなさもあって、攻め続けていたのに最後まで得点を奪えずPKに突入してしまったので、試合の流れ的には耐えたコスタリカがPK戦を制すパターンになりそうなものだったのですが、延長戦の終盤に、ファン・ハールは最後の交代枠をPK専用ゴールキーパーのクルルに使い、この起用が当たってPK戦で勝利しました。

オランダって、これまで大会でよくPK負けをしてきたので、しっかり対策していたんでしょうね。面白いものが見られました。

昔のような常に攻撃的なオランダとはまた違ったサッカーですが、毎回のように試合中に交代やポジションチェンジによって戦術変更をしながら勝利を引き寄せる今大会のファン・ハール監督のオランダは、これはこれで見ていてとてもおもしろいです。

結局4年間で、左サイドで組み立てて右の岡崎がゴールするという勝ちパターンしか持てなかった日本とは対照的だと思いました。


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